NZの山道、この写真の中にNZの観光政策を象徴する人工物が隠されています。さて…
photo: Yoshio
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NZにある全14の国立公園の一つカフランギナショナルパークでのトランピング実習。
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総延長570キロにも及ぶトランピング(トレッキング、登山)ルートが人気で、毎年、国内外から多くの観光客がトランピングを楽しむために訪れています。
私たちが今回歩いたのはCobb Valleyと呼ばれるルート。
ネルソン周辺では数少ないダムの一つ、Cobb Damに注ぐ源流の谷沿いを歩きます。
トラックは比較的平たんで勾配も緩やか、初心者にもお薦めの軽度なトランピングルートの一つです。
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国立公園だけでなく、トランピングトラックは町外れの小さな丘まで、まさに国中に張り巡らされていて、NZ国民にとっても最もポピュラーなアクティビティの一つです。
そして実際に歩くトランピングのトラックですが、その整備のあり方はNZの環境保護の精神や観光政策を象徴していると言えるでしょう。
NZのトランピングの最大の楽しみは、なんといっても壮大な自然の中にトリップしているという感覚そのもの。
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例えば冒頭でも示した下の写真ですが、一見すると人工物の全くない自然のトラックに見えますが、実はこの中に人工物はしっかりと設置されています。
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もう少し近づくと、こんな感じです。
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これでも、ただちょっと大きな石があるだけ、と思いますが…
実はその石の下を覗きこむと…
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小さな水路を維持するため、プラスチック製のパイプが設置されています。
こちらは比較的新しく設置されたもの。
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非常に丁寧に、意地悪く言えば「巧妙に」人工物が隠されています。
トラックには、その他にも人の手が加えられた場所があります。
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それなりに「人が手を加えたものであろう」と推測できるものもありますが、きれいに自然に溶け込んでいます。
幅の広い川を横断するトラックには橋が設置されています。
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しかし、人の目に付きにくい橋の下を覗きこむと…
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これらのトラックは、いずれも国立公園内。
もちろん車両でのアクセスが不可能な場所。
トランピングルートを、少なくとも3~4時間以上歩かないと到達できない場所です。
中には、何日も歩かないと到達できないような山深いトラックでも、このような配慮がなされています。
NZでこれらトランピングトラックを管理するのは、これまでにも何度かご紹介した国の機関DOC(Department of Conservation)。コンクリートなどでがっちりと固定するわけではないので、当然定期的な維持管理が必要となります。近い距離なら職員が歩いて管理することも可能でしょうが、遠い距離へは、下のようにヘリコプターを使って行うことになります。
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ここまで丁寧に維持された「自然」の道には
不思議と人が捨てたゴミも見られません。
NZのトランピングトラックのゴミのなさには本当に驚かされます。
管理する側、つまり招く側と、招かれる観光客双方の、景観の維持にかける思いが一つになっているように感じます。