2011年11月16日水曜日

Coasteering again!-やめられない止まらない…

先日再びコーステアリングに行ってきました!

前回は初めてのコーステアリングということで、超初心者向けのコースでしたが、今回はいきなり超ド級のハードコース

コーステアリングの醍醐味を身をもって体験しました。
これは本当におもしろい!!

                                                                                                            photo: Yoshio

場所はNZ南島北部東海岸のWhites Bay
ビーチそのものは、家族連れでにぎわう、美しい海岸。
で、我々が向かったのは海に面して左側に進んだ、こちらの岩場。

                                                                         photo: Yoshio

コーステアリングは一般的に、潮が引いている時間帯に、移動が困難な海岸線を、岩場などに沿って移動していくもので、時にロッククライミング、ボルダリング、スイミングなど、いろいろな技術を使いながら、とにかく海岸線をガンガンと突き進んでいくアクティビティー。NZではけっこう歴史は古いと言われるアドベンチャーアクティビティの一つです。


                                                                                                           photo: Yoshio
装備は前回同様、ヘルメットにウェットスーツ、パドルジャケットにライフジャケット。靴はダイビング用のブーツ。今回の場所は沖縄のように岩がどこも険峻な場所だったので、参加者の多くは手袋も着用しました。

                                                                                                             photo: Yoshio
出来るだけ海面に落ちないように、岩にしがみつきながら移動します。

写真では見にくいですが、今回のポイントには時々オットセイの姿も見られました。


         左端にオットセイが寝ています   photo: Yoshio
彼らが泳ぎ回るすぐそばで、海面に落ちることもしばしば。
どんどん突き進んでいきます。

今回の岩場は、どこもかなり鋭く尖った岩が目に付きました。

                         photo: Yoshio
コーステアリングは、移動中の不注意の転倒などが簡単に重大な怪我につながります。
完全防備はもちろんですが、常に十分な注意が必要です。

そして、コーステアリングの恒例行事の一つ、ジャンピング大会
しかし今回のポイントは、本当に高かった…

                  photo: Yoshio
高さは9メートル。下から見ると…まあいいですが、上から見ると、まさにありえない高さ。
私も2回飛びましたが、これは怖かった…人生でもっとも怖い体験の一つとなりました…

私も…
さて、そして今回最後のポイント。

岩場の隙間にある洞窟を泳いで抜けるコース。

このポイント、波が押し寄せるたびに水面が急激に押し上げられ、洞窟内で岩と波が激しく打ち合う、一見したところ、絶対にありえないコース…

              photo: Yoshio
しかし、今回のガイドは、我々のアドベンチャーツーリズムの専属チューター、トビー。
妥協はありません…

しかし、信頼できる男でもあります。

コーステアリングで、最も危険で、最もスリリングなシュチュエーション。

2人、3人のグループで波のタイミングを見ながら、岩場に落ちていきます。
そして、波の押し寄せるタイミングに、一気に泳いで出口を目指します。

これは本当にかなりスリリングです。
狭い洞窟内は、波のタイミングで激しく水面が上下しますし、打ち合う波で時々視界もさえぎられます。

                 photo: Yoshio
一気に抜けると、仲間が待っています。

しかしここも狭い岩場。タイミングをよく見ないと、波に引きづられて沖に流されてしまいます。押し寄せる波にうまく体を合わせて岩場に上がります。

                  photo: Yoshio
コーステアリングのセオリーは単純ですが、このようにかなり危険度が高いアクティビティー

しかし完全防備と、フィールドの状況をしっかりと把握した上で行うと
これはまさに、どこでも出来て、海と陸と一体となれるアドベンチャー

これは、おもしろい!

                          photo: Yoshio




















2011年11月3日木曜日

Abel Tasman NP Management Plan-NZ流エコツーリズムのつくり方

エイベル・タスマン(アベル・タスマン)国立公園は、温暖で熱帯性の原生林や海岸線の美しい砂浜、またオットセイやイルカに出会うことのできる透明度の高い海が人気のNZ全14の国立公園のうちの一つです。

                                                                                                            photo: Yoshio

広さは2万2530ヘクタールと、沖縄県の石垣市全域の広さとほぼ同じです。 これでもNZでは国立公園としては最も小さい規模となります。

しかしこのエイベル・タスマン、国立公園としては実は国内で最も人気が高く年間約15万人(2006年)の観光客がトランピング(トレッキング)やシーカヤックを目的に訪れています。

                                                                                                                photo: Yoshi

さて、このエイベル・タスマンですが、私も何度もここを訪れて感じたことは、この国立公園の運営、管理のあり方は、非常に沖縄にとって参考になるのではないかということです。


  突然野生のオットセイの赤ちゃんが乗ってきたりします photo: Yoshi

NZには様々なアウトドアアクティビティがありますが、エイベル・タスマンで最もポピュラーなアクティビティはシーカヤック
シーカヤックのフィールドとしては、カナダのバンクーバーに続いて、世界で2番目に有名な場所とも言われています。

沖縄のアウトドアアクティビティのメニューの中でも、今、シーカヤックはとてもポピュラーですよね。

一般的なエイベル・タスマンの観光スタイルは、海岸線に沿って原生林のなかのトラックを歩くトランピング(エイベル・タスマン・コースタル・トラックはNZのグレートウォークの一つ)、そして海岸線に沿ってカヤックを漕ぐ、シーカヤック。または海岸線に沿ってウォータータクシーや小さなクルーズ船でポイントを回るツアーです。

          ウォーキングトラックから      photo: Yoshi
 いわば、きれいな海美しい砂浜、そして砂浜の背後の比較的標高の低い原生林の山々が主役です。

これは沖縄の海岸線の光景と非常によく似ています。

そのエイベル・タスマン、その全容のマップがこちらです。



海岸線に沿った黄色い細い線がウォーキングトラックです。

見ての通り、公園内には車が入れるような道路はなく、人工物は、一部のロッジや別荘を除き、ほとんどありません。

公園内の施設には電気もなく、当然電線もありません
一部電気を必要とする施設では、太陽光発電などの自家発電施設でまかなっています。

公園内の人口施設としては、このウォーキングトラック、そして、地図上で三角印で示されているキャンプサイト、あとは数少ないロッジなどです。

このキャンプサイトですが、非常に数が多いことがわかります。
この国立公園を管理するDOCの資料によるとエイベル・タスマン国立公園には21のキャンプサイトがあり、山小屋、ロッジを含め、一晩に753人の観光客が泊まることができるキャパシティがあるとされています。この数は、それなりに比較的余裕に泊まることが出来る数だと思われます。
それにしても十分なキャパです。

            Anchorage             photo: Yoshi
よく見ると、海岸線の砂浜があるところには、必ずといってもキャンプサイトが設置されています。

そして、これらのキャンプサイトは、その大きさなどから、サイト内での細かいルールが決められています。

そして、サイトには下のような看板が立てられ、そのサイトのルールが表記されています。


例えばこの場合、
  1. キャンプでの最長宿泊日数は2日間まで。
  2. 50のテントが設営できます。
  3. ハット(山小屋)の最長宿泊日数は2日間まで。
  4. ハットには24人が宿泊できます。
  5. 浄化処理された水が提供されています。
  6. カヤックは、所定の場所に置いてください。
  7. 火は所定の場所で使用してください。
  8. ゴミは各自で持ち帰ってください。
  9. 犬は禁止。トイレが設置されています
といった感じです。

水が浄化処理されてある、とありますが、当然水道が通っているわけではありません。雨水を再利用する際に十分に浄化されているという意味です。


ここ(Anchorage)は、エイベル・タスマンの中でも比較的大きなサイトです。

 
                                               Anchorage                                 photo: Yoshi
 このように、それぞれのキャンプサイトで細かいルールが決まっています。

一方、小さなサイトになると、水が浄化されておらず、沸騰させて飲む必要があったり火の使用が禁止されていたりします。

ちなみにこのサイトのトイレは水洗です。


                                                                               photo: Yoshi
エイベル・タスマンにはこのほかBark Bayなどにも水洗のトイレが設置されるなど、さすが国内で最も観光客の多い国立公園なだけに施設は充実しています。

ちなみにキャンプ宿泊の料金は大人一人12ドルですので、約700円
山小屋の使用料は一人35ドルですので、約2000円
 キャンプの料金や山小屋の使用料金は国立公園、場所によって異なります。
ネルソン周辺で比較するとエイベル・タスマンはかなり高額です。
 近くの、カフランギ国立公園などでは、キャンプは無料山小屋は一人10ドル(約650円)というものが多いです。

観光客は、これらのルールなどを考慮しながらどこのサイトにどう宿泊するか、プランを立てることになります。
全ての情報は、DOCのウェブページで細かく確認することができます。
シーズンの夏場になると、エイベル・タスマンは、本当に多く人でにぎわいます。
キャンプサイトも山小屋も、予約をしないといっぱいで入れない状況になります。

                                                                                 photo: Yoshi

この時期には、DOCのレンジャーが定期的にサイトを巡回して、利用者の状況を確認しています。

このように、エイベル・タスマンは、DOCのポリシーのもとで、海岸線のアウトドア施設が非常に整然と管理、運営されていて、世界中から多くの観光客をアウトドアフィールドに招き入れています

                                                     Bark Bay                                     photo: Yoshio

その管理のあり方は、さすがアウトドア王国、エコツーリズム先進国

国立公園、保護区という理由で、人の立ち入りを全く禁止するのではなく、しっかりとフィールド、ルールを整備して、人を自然に招き入れる

このあり方は、同じようにシーカヤックなどマリンアクティビティがポピュラーな沖縄県にとって、大きな参考になるのではないかと思います。

特に離島や諸島地域でこのようなNZ流のエコツーリズムフィールドが整備されれば、多くの外国人観光客をも、しっかりと満足させるものをつくれると思います。

                                                                                                            photo: Yoshio

DOCのエイベル・タスマンのマネージメントポリシーは以下のウェブサイトで公開されています。
一部を参考にさせていただきました。

Abel Tasman NP Management Plan(英語)


























2011年11月1日火曜日

Sea Kayak Surfing-カヤックでサーフィン!

さて、シーカヤックサーフィンを体験しました。



                photo: Yoshi

その名の通り、シーカヤックを使ったサーフィンなんですが、正直私は、もう少し優雅なものだと思っておりました…

NZでのシーカヤックサーフィン、かなりアドベンチャーです!
場所は、南島北部東海岸のRobin Hood Bay

                photo: Yoshi
NZの海岸は、その場所や地形によって、波の立ち方や雰囲気が大きく異なります。

その中でもこのBayは、湾の形状が、太平洋の波をきれいに受け止め、常にある程度の高い波が立つポイントとして有名です。

絶好のサーフィンスポット。

私も、シーカヤックはある程度の経験もあり、小さな波乗りならそれなりに楽しんだ経験もありますが、ここの波を見て、さすがにちょっと…ビビリました。

ウェアは、ヘルメットにウェットスーツ、当然PDF(ライフジャケット)。
完全防備です!


                           photo: Yoshi

艇は、シーカヤック、リバーカヤック、シットオンカヤック

シットオンタイプのカヤックは、最も安全で初心者向きということになるでしょう。

シーカヤックは破損や怪我の恐れもあるので、ラダー(舵)がないものを使いました。
ラダーが装着されているカヤックは、ラダーが使えないよう、固定しての使用でした。

まずは講師から注意事項のレクチャーを受け、勇気のある者からどんどん沖に出て行きます。

で、私も挑戦しました。

まずは、タイミングを見ながら、高い波を越え、沖に出ます。




 しかし、サーフィンに関しては完全に初心者。 まずは自分が乗れる波の大きさを見定めることが大変でした。
そして、当然のように、誤っていきなりでっかい波に挑戦してしまい…



カヤックから見る波は、もっと大きく感じました。

まさに巨大な水の壁が迫ってくる恐怖です…

波乗りに失敗し、波にもまれると、あとはかなり、きついです…


                          photo: Yoshi
 サーフボードと違い、全長5メートル、重さ数十キロのシーカヤックの場合、このクラスの波に揉まれるともはや手で掴むことはかなり危険です。

一度、掴もうとカヤックのロープを握りましたが、波のものすごい力に引っ張られ、手のひらが血だらけになりました…

カヤックは一気に体から離され、飛ばされるように砂浜の方向に消えていきました。

あとは、パドルを離さないよう泳ぐだけで精一杯な状態となります。



                photo: Yoshi
流されたカヤックは、必ず砂浜に打ち上げられるので、失う心配はありません。 カヤックには、水没しないよう、コックピット内にフロートをはめ込んでいます。

ただ、流されるカヤックは、コックピット内に大量の水が入り、非常に重くなったまま、波の強烈な力でさらわれていきます。先端は鋭利ですし、とても危険です。

事前に、流されるカヤックと砂浜との間に、人がいないことなどを十分に確認する必要があります。

このように、シーカヤックサーフィンを楽しむには、場所を選ぶことが非常に大切なポイントになるかと思います。

カヤックを喪失しにくい湾内で、障害物が少なく、他にスイマーなどがいないこと。

このような条件を満たせば、シーカヤックサーフィン、かなりアドベンチャーなアクティビティです。


                photo: Yoshi
サーフボードと違って、体がカヤック内に固定された状態なので、スリルもそれなりに高いです。

波に乗ると、あとは、パドルをうまく舵のように使って進むことになります。


                          photo: Yoshi
波乗りの要領が分かってくると、これは本当に楽しいです。

カヤックの、よりアドベンチャーな使い方です。

失敗して波に揉まれて苦しむことさえ快感になってくると、結構ハマルかも…



                          photo: Yoshi