2011年6月5日日曜日

Kaitiaki Tanga (カイティアキタンガ)

さて、このブログのタイトル「Kaitiaki Tanga(カイティアキタンガ)」について
ちょっと説明をしたいと思います。


「カイティアキタンガ」は、NZの観光を語るにあたってとても大切な要素です。

特に最近、観光業界でこの言葉が聞かれるようになったといいます。





photo:Yoshio
NZ政府観光局のHPによると「カイティアキタンガ」とは、
守護、保全といった意味の先住民マオリの言葉で
マオリの伝統的な世界観に基づいた環境保護の理念
です。

マオリの言葉で「カティアキ」とは、土地の部族によって守護者として認められた
個人または集団、つまり「守る者」という意味。



                                photo:Yoshio
マオリの伝統的な考え方では

人間はあくまでも自然界の一部であり自然界の上に立つものではない。
全ての生命は互いにつながっいて、人間も世界を織りなす数限りない要素のひとつ、
世界という大きな家族の一員である」とされています。


しかし、かつてNZでも、自然を破壊した歴史がありました。

そうした歴史の教訓を踏まえ

世界を理解するためにはそれぞれが自らの位置づけと役割を心得なければならない

そんなマオリの伝統的な考えを再認識し、実践できるよう促す理念が
「カイティアキタンガ」なのです。

                         photo:Yoshio
ちょっと難しい説明になりましたが、この「カイティアキタンガ」、NZでは
観光だけでなく、様々な政策や経済活動の中で非常に大切な理念となっています。

 こちらで、NZの観光を学ぶ際に最初に教えられました、とても大切な考え方です。

NZでは「カイティアキタンガ」を国を挙げて掲げています。

以下
NZ政府観光局HP抜粋

…環境資源の持続可能な管理を目指す1991年の「資源管理法」や2004年の「前浜及び海底法」など、カイティアキタンガを盛り込んだ法律も施行されています。いずれもカイティアキタンガについて同一の定義を明記し、各法律に基づいて資源を管理する者は、カイティアキタンガを考慮に入れ、伝統とそれに付随する権限を尊重しなければならないと定めています…




photo:Yoshio


法律の中で扱われるようになったということは、(マオリの)各部族の利害と希望を、マオリに限定されない地域社会の問題として受け止めるべきであると政府が認めたことも意味します…今日のマオリの人々は、カイティアキタンガを実行することで代々受け継いできた責任を果たし、祖先の希望に応える喜びを感じています。また、カイティアキタンガを機に、マオリ以外の人々も自然との関係を見いだし、この理念を環境破壊が続く世界の中でどう役立てていけるかを考えていきます…


いまやNZでは、大企業もこの理念抜きでは経済活動を行うことができません。

こうした考えからNZでは国土の30%が国立公園や保護区に指定されていて
公的に保護されています。

NZの観光は、まさにこの理念で支えられていると言っても過言ではないでしょう。

素敵な考え方だと思います。




photo:Yoshio

でも、振り返って考えてみると、日本沖縄に、こんな考え方はないのでしょうか。

そんなことはないですよね。

例え一つの言葉に集約することはできなくても
沖縄の方は昔から自然とともに生きてきましたし
実際、今も地域の文化に深く浸透しています。

実際僕はそんな沖縄に惹かれて、沖縄が大好きになりました。

 NZは、世界の広大な土地の中で最後に発見された、地球上で最も若い国です。

自然の素材を生かした斬新なアクティビティを次々と生み出している一方で
どこかに「守る者」がいる。

そんな微妙なバランスがこの土地に多くの人を惹きつけているのかもしれません。



photo:Yoshio







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